終身保険って一生お得?

一生涯保障が受けられる終身医療保険というと、心強いイメージを持ってしまいます。

もちろん定期医療保険よりも安い保険料で保障が受けられるとなると安心感を抱いてしまうし、実際にそうしたメリットを選んで終身保険を選ぶのも大切でしょう。

ただし、終身保険を選ぶにあたっては意外と見過ごされがちな点があるのも忘れてはいけません。

まずは一度も給付金が下りないというケースです。

生きている間の保障を目的とした終身保険は、当然ですが重大な疾病を負わない限り給付金を支給されることはありません。 更に言えば、契約内容によって給付金が下りるケースに見舞われなければ給付金は下りません。

逆に言えば契約事項から漏れてしまったそういうケースに遭遇したとしても、保障はされないということになるのです。

「まさか」と思われるかもしれません。

確かに一度も給付金が下りないというケースを想像することは難しいでしょう。 では、給付金が下りたとしても一度しか下りないというケースならどうでしょうか。

例えばがん保険で診断給付金が何度も下りることをキャッチコピーにしている保険があるとします。 しかしこの場合例えば「二年以上の間隔」が開かないと給付金が下りないという条件がついてくればどうなるでしょう。

がんの再発率を考えてみれば、二年以内にがんが再発するというのは決して珍しいケースではありません。あるいは、珍しいケースであるとしても自分がそうならない保証はありません。

統計と照らし合わせてみれば、条件付きで何度でも給付される保険ではなく一度だけでも手厚く保障が為される保険の方が実はお得かもしれない、という答えが見えてきます。

もしくは一生涯保障が続くといっても、入院限度日数を超えてしまうとその分の給付金は当然下りません。「一生涯保障」という言葉でつい勘違いしてしまいがちですが、保障には限りがあります。

また、これからの医療制度がどう転ぶかも不安なところです。

終身保険は基本的に入院時にどう保障するかを中心に組み立てられています。

では、医療制度が変わってあまり患者が入院しない世の中になってしまえばどうなるかというと、保険が保障する内容から外れてしまうのでそういった場合の給付金が下りることはありません。

医療費を削減するために入院治療から投薬などの通院治療へと、医療の世界は大きく動いています。これに対応した「終身保険」はまだまだ未発達であるというのが現状です。

自分の一生を占う保険であるからこそ保険内容をよく確かめて、万が一の場合こうして書いてきた落とし穴に落ちてしまわないようにするのが重要です。
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