医療保険とがん保険どちらかに加入するなら

医療保険とがん保険を比べて迷っている人も多いのではないでしょうか。どちらも必要そうに思えるけれど、両方の保険料を払い続けるのが難しいという場合は、どちらかを優先して選ぶことになります。

医療保険とがん保険、どちらかしか入らないとしたら、どちらを選ぶのがよいのでしょうか?

がん保険はがんになってしまった場合の保障ですが、医療保険はがんも含めた病気やケガの治療全般に使える保険です。そう考えると医療保険のほうが範囲が広いぶんおトクな気がしますが、がん保険のほうが保障は手厚くなっています。

それというのも、やはり、がんは治療費がかさみがちな病気だからです。

厚生労働省による「患者調査」によると、がんになった場合の在院日数(入院日数)は、20〜30日程度です。

■平均在院日数(がんの種類と男女別)
  男性 女性
胃がん 24.1 32.9
大腸がん 18.4 20.4
肝がん・胆道ガンなど 20.7
26.2
肺がん・気管支系のがん 26.3 29.2

入院1日あたりの自己負担額を1万5000円程度と考えると、入院費は30万〜45万円。ただし、入院費については高額療養費制度なども使用できます。

問題は、最近のがん治療は通院の割合が増えているという点です。

■がんの総患者数と平均在院日数の推移
  平成14年 平成17年 平成20年
総患者数 128万人 142万3000人 151万8000人
平均在院日数 28.9日 24.6日 22.4日

上記の「患者調査」を年次で追ってみると、がんの患者数は増えているのに、入院日数は減っているのがわかります。

通院のための費用は、診療費・薬代などは公的な保険ではカバーできたとしても、交通費などは自己負担になりますから、医療保険・がん保険などでカバーしなければいけないことになります。

がんの治療のための通院日数について、明確な統計はありませんが、1年以上にわたって通院している人も珍しくはないようです。

がん保険は、こうした、がん治療の特性に合わせて考えられた保険ですから、通院の場合の保障のほか、がん治療に使われることが多い先進医療(これも、公的な保険ではカバーされません)の費用補償、がんと診断された時点で支給される診断給付などがあります。

医療保険にも通院給付や先進医療特約があるものはあります。ですが、他の病気に比べても、長期間、多額の治療費が必要になるというがんのリスクを重く見るのなら、やはり、がん保険を選んだほうがいいと思います。

しかし、がん保険にだけ入っていて、医療保険に入っていないと、がん以外の病気では何も保障がないことになります。

公的な保険も使える範囲の医療費は高額療養費制度などでも抑えられますから、がん以外の医療費については貯蓄などでまかなえるよ、という人はいいのですが、たとえ少額でも普段の生活費や貯蓄から医療費が出ていくのは、やはり負担です。

特に、高額療養費制度はあとからお金が戻ってくるしくみですから、一時的に立て替えが必要です。給付されるまでに3か月もかかってしまいますが、大丈夫でしょうか?

貯蓄があると言っても、その貯蓄は病気になったときのためだけに貯めているわけではありませんよね?夢や目標があって貯めている人も多いと思います。そんな貯蓄を医療費のために取り崩すよりは、保険金が下りるならそのほうが嬉しいはずです。

そのように感じる人は、がん保険ではなく、医療保険を選んだほうがいいでしょう。

まとめますと、医療保険とがん保険、どちらか一方だけを選ぶとするなら、医療費についての自分の考え方によります。

・一般の医療費は貯蓄でなんとかなりそう。でも高額・長期の出費になるがんの治療費は保険で備えておきたい。→がん保険を選ぶべき
・少額でも医療費の負担は痛い。病気のために貯蓄は減らしたくない。→医療保険を選ぶべき


ということになります。

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